私がこの薔薇と出会った瞬間、思わず立ち尽くしてしまいました。
その名は エバンタイユ・ドール(Eventail d’or)。
フランス語で「黄金の扇」という意味を持つ、美しく、どこか非現実的なほどクラシカルで渋い金色を纏った一輪のバラです。
河本バラ園が誇る傑作バラ
- 作出者:河本純子氏(河本バラ園)
- 作出年:2009年
- 作出国:日本
- 系統:ハイブリッドティー(HT)
- 花色:季節によって変化するシャンパンゴールド〜金茶色
- 花形:波打つような丸弁。中心がわずかに見える優雅な咲き方
- 花径:中輪(約6〜9cm)
- 香り:微香
- 開花性:四季咲き
- 樹高:約1.2m(直立性)
- 耐病性:比較的強い。トゲも少なく扱いやすい
私が育ててみた「エバンタイユ・ドール」
私の庭にこの薔薇が咲いたとき、まるでアンティークの宝石箱から現れたかのような錯覚を覚えました。
「これ、本当に自然の色?」と思うほど、不自然なほど美しい金色。けれど、それは紛れもない生きた薔薇の輝きでした。
河本ローズは一般的に育てるのが難しいとされています。
ですがエバンタイユ・ドールは例外で、初心者でも安心して育てられる丈夫さを持ちつつ、その見た目はまるで舞台の主役のよう。
季節ごとに変化する色彩美
春はやわらかなシャンパンゴールド、
夏は淡く落ち着いたベージュトーン、
秋は深みのある金茶色——
季節によって印象を変える表情豊かな薔薇です。
育てやすさも大きな魅力
- トゲが少なく取り扱いしやすい
- 耐病性があり、薬剤散布の手間も軽減
- 四季咲きで、年に何度もその美しさに出会える
庭の主役にしたいけれど、手のかかるバラは避けたい……という方には、まさにうってつけの一株です。
最後に——この薔薇を愛でるという贅沢
庭に咲くエバンタイユ・ドールを眺めていると、まるで小さな美術館に立っているような気持ちになります。
自然と芸術が融合した、奇跡のようなバラ。
美しいだけでなく、「育てる悦び」までも与えてくれるこのバラは、間違いなく私の庭の主役となりました。