バラ愛好家の間で「モダンローズの始まり」と称される品種、それがラ・フランス(La France)です。1867年にフランス・リヨンの育苗家ジャン=バプティスト・アンドレ・ギヨー・フィス(Jean-Baptiste André Guillot Fils)によって発表されました。
その優雅な花の姿、豊かな香り、そして歴史的な価値から、バラを愛する人々の間には今なお特別な存在です。
ラ・フランスの基本情報
- 作出国:フランス
- 作者:ジャン=バプティスト・アンドレ・ギヨー・フィス(Jean-Baptiste André Guillot Fils)
- 制作年:1867年
- システム:ハイブリッド・ティーローズ
- 花色:淡いピンク
- 花形:高芯半剣弁咲き
- 香り:ダマスク系で強い
- 開花習性:四季咲き
- 樹形:木立性
- 棘の有無:比較少ない
- 耐病性:低い(黒点病・うどん粉病)
- 栽培困難度:★★★★☆
ラ・フランスの魅力
1. モダンローズの原点
ラ・フランスは、それまでの「オールドローズ」と一線を画す品種です。
モダンローズの特徴
・四季咲き性で、春から秋まで花を開花させる。
・花の形が剣弁や半剣弁が代表的で、シャープな印象があります。
・甘いダマスク系の香りと上品なティー系の香りの2系統からなります。
・丈夫で育てやすい品種が多い
2. 気品溢れる美しい花の姿
ラ・フランスの花は、中心が盛り上がる高芯半剣弁咲きでシルバーピンクの薄い花びらが外側に向かって
ゆっくりと開いてゆきます。
花付きも良く、うつむき加減に咲きます。
3. 甘いフルーティーな香り
ラ・フランスは香りの強いバラとして知られています。
その香りはフルーティで爽やかな甘さが強く香ります。
咲いた枝をカットして室内に飾ると、香水のように優雅な香りが広がります。
4. 歴史的な価値
このバラの存在がなくて、現在のバラ栽培の発展はなかったと言えるほどの歴史的な価値の高い薔薇です。
ラ・フランスは、まさに「バラの革命児」とも言えるでしょう。
明治から大正にかけて、日本では「天地開」と言われていた程です。
ラ・フランスの栽培方法
ラ・フランスは非常に病気に弱い品種のため、栽培には注意が必要です。
特に黒星病やうどんこ病にかかりやすいため、病気予防に消毒や風通しを意識した枝の整理などに気をつけましょう。
1. 日当たりと風通しを確保
- 日照:日当たりの良い環境に植樹する。
- 風通し:葉が蒸れない様に枝を間引き剪定して風通しを確保。
病気予防のためにも、湿気がこもらない環境作りを心掛けてください。
2. 土壌と肥料の管理
- 土壌:過湿予防に水はけの良い腐葉土を多く入れた土に植樹しましょう。
チッ素・リン酸・カリのバランスが大切です。 - 肥料:牛糞やハイポネックス、フラワーメーカ(薔薇用肥料)など
- 春と秋に緩効性肥料を施用
- 開花期には液体肥料を週に1回程度追跡
肥料を与えすぎると枝葉ばかりが成長し、花つきが悪くなりますので状態をよく観察して、調整してください。
3. 水やり
- 鉢植え:土の表面が乾いたたっぷりと与える
- 地植え:夏場は乾燥に注意
過湿は病気の原因となりますので、水やりにの際には注意。
4. 病害虫対策
ラ・フランスは特に黒星病とうどんこ病に弱いため、以下の対策を講じましょう。
- 黒星病:定期的に**ダコニール・ベニカXスプレーなどの殺菌剤を散布し、**落ち葉はすぐに処分
- うどんこ病:カリグリーン・ダコニールなどの治療薬を散布。市販のベニカスプレーなどは手軽でお勧めです。
- 害虫対策:アブラムは早期に駆除しましょう
病気の発生を防ぐために、定期的な薬剤散布と剪定を欠かさないように。
5. 剪定のコツ
ラ・フランスは枝が細く伸びやすいため、冬の剪定では強めに切り戻す、春の芽吹きを促します。
剪定は、次の開花をスムーズにすることができます。
まとめ
ラ・フランス(La France)は、モダンローズの原点であり、エレガントな花の姿と芳醇な香りを持つ歴史的な名花です。
しかし、病気に弱くて育てるのが難しいため、初心者向きの品種ではありません。
ですが正しい環境と丁寧な手入れができれば、その美しさを楽しむ事は可能です。
歴史的にも貴重な品種のラ・フランスの魅力を是非ともお庭で楽しんでみませんか?
🌹ラ・フランスを育てることで、バラの歴史とロマンを感じてみませんか?