2025年7月– date –
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No.1とだけ書かれた薔薇──その正体は『ラ・プルミエール』
ある日、園芸店で見かけた薔薇苗のラベルに、こう書かれていました。 「No.1」 品種名でもなければ、作出者も不明。ただ、妙に惹かれる、ふっくらとした蕾とサクラ色の花。一体、この薔薇は何者なのか? その「謎のNo.1」の正体が、実は──フランス・ギョー... -
「ミニバラ」だと思っていた
茨城フラワーパークで見つけた、小さくて可愛らしい苗。名札には「シュークリーム」とあり、その名に違わず、淡い黄色の小ぶりな花がとても愛らしくて、私はすっかり心を奪われてしまいました。鉢植えにして、毎年せっせとミニバラとして手入れをしてきま... -
一本で庭が変わる存在感──ティップン トップ(Tip’n Top)
ティップン トップ(Tip'n Top)は、ドイツの名門バラ育種会社コルディス(Kordes)が2015年に発表したシュラブローズです。 別名には「Lioness」「Lioness GrandiRosa」「Korsebasaf」などがあり、海外でも親しまれている品種です。 花色は黄色にほんのり... -
ヴェルシーニ──サーモンピンクに秘められた城の名の薔薇
春の庭にふと目をやると、柔らかな光を受けて微笑むように咲いていたのは、ヴェルシーニ(Versigny)。その名は、毎年十月、庭と花の愛好家たちが集うというフランスの古城「ヴェルシーニ城」に由来するものです。 まるで絹のドレスをまとった令嬢のように... -
まるで芸術品。クラシカルな黄金の扇を咲かせる薔薇
私がこの薔薇と出会った瞬間、思わず立ち尽くしてしまいました。その名は エバンタイユ・ドール(Eventail d’or)。フランス語で「黄金の扇」という意味を持つ、美しく、どこか非現実的なほどクラシカルで渋い金色を纏った一輪のバラです。 河本バラ園が誇... -
異色の個性派——切りバラ品種「リンボ」の魅力
ひときわ目を引く個性派バラ「リンボ」。切り花品種として誕生し、花屋さんの店頭でも独特の存在感を放つこのバラは、育てる楽しさも格別です。 咲き始め、特に春先など気温が低い時期には、蕾が深いグリーンをまとってゆっくりと開花します。その神秘的な... -
【幻のバラ】ヤリター(Jalitah)—日本唯一の現存地と入手困難な理由
【私とヤリターとの出会い 〜 現地で感じた“幻のバラ”の魅力】 私が薔薇ヤリターと出会ったのは、岐阜にある日本最大のバラ園「ギフ・ワイルドローズガーデン」でした。別のバラの取材で訪れ、モダンローズの回廊にふと目をやると、そこに咲いていたのがヤ...
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